障害当事者とのワーキングからみえた「換気機能付窓」のメリットとPR方法

Sponsored by LIXIL

国内でも貴重なプロダクトインクルージョンの事例としてLIXILの新商品「換気機能付窓」について3回に分けて取り上げています。

前編では、多様な視点を取り入れた方法や取り入れるに至った背景・想いについてお伝えしました。

前編:

窓を開けずにらくらく換気できる!?LIXILが取り入れた「プロダクトインクルージョン」の事例

続く、中編となる今回のテーマは「発信方法」です。

LIXILは当製品のPRに向けて、価値がより伝わる表現方法を追求するために、メインターゲットである障害のある方と計5回のワーキングを行いました。

ワーキングで見えてきた

・障害のある方が当製品のどこにメリットを感じるのか、メリットを感じる背景は何か

・そのメリットを伝えるにあたって、どのような言葉やビジュアルを用いた表現がいいのか

について今回お伝えしていきます。

「換気機能付窓」はまるで息をする窓

画像 換気機能付窓のイメージ

「換気機能付窓」の最大の特徴は、窓の上部に給気口、下部に排気ファンが搭載されており、24時間窓の開閉なしに換気ができることです。

騒音が気になって窓を開けっぱなしにできなかったり、急な雨が降ってきたりしても安心して空気の入れ替えができます。

まるで息をする窓のようです。

筆者自身もテレワークが日常になり、空気がこもることがよくあるのですが、道路沿いに住んでいるので換気をしようと思っても騒音が気になり、一日中窓を開けっぱなしにすることが難しいです。

これから梅雨の季節にもなるので、窓を開けずに換気できることもとても魅力的ですよね。

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障害のある方が感じる「換気機能付窓」の魅力とは

ワーキンググループには、5名(身体障害者:3名/視覚障害者:2名)が参加されました。

ワーキングで語られた当事者ならではの当製品へのメリットについて3例紹介します。

Tさん(脳出血による左半身麻痺・40代)

普段窓をあけるとき、鍵が小さく開けづらいことから窓の開閉動作がなく換気できることに対して利便性を感じる。

Mさん(高次機能障害・30代)

常に換気できる窓は画期的だと思う。自身の話ではないが、ポータブルトイレを自室に置いている脳梗塞発症の知人が、部屋の匂いが気になると言っていたので、匂い消しにもつながると思う。

Nさん(視覚障害・40代)

自宅にいる場合は基本的に窓を開けている。時々、突然雨が降ってもわからない時があるので、開閉の動作が必要ないことに魅力を感じる。

やはり、窓を開け閉めしていなくても24時間換気できること自体が、非常に画期的であり障害の有無に関わらず価値として感じられます。

価値をよりわかりやすく伝えるための表現方法とは

届けたい人に製品を届けることは当製品に限らず、あらゆるサービスや製品に通ずることです。

当製品に関して障害のある方に届けたいとき、どのような言葉やビジュアルを用いるとより伝わるのかについてワーキングの参加者が語ったことをお伝えします。

製品全体として「障害者向け」「ハンディキャップ商品」と打ち出されているものについてどう思うか?

「障害者向けというものがキャッチフレーズであると、そのためだけのものという印象を受け、たまに過剰に感じる時がある。」

「障害者ってくくられることに不快感はないが、障害者にも1人ひとり違うので結局誰向けかわからない。」

当製品が必要とされている方に伝わる表現はなにか?

「バリアフリーやユニバーサルデザインというより、窓の開け閉めが出来なくても換気できる窓といった、生活が楽になるということに重きをおいた表現がいいと思う。」

「機能として利便性が高いので、健常者でもニーズはあると思う。ターゲットを障害者だけにするのはもったいないので、新しい/やさしい/簡単などが伝わるといい。」

当製品の魅力を伝えるためにどんなビジュアルでの見せ方がいいか?

「換気できることを伝えるためのビジュアルは、風の流れがあるとわかりやすい。」

「言葉で “障害者向け” とあるものはあまり好きではないが、ビジュアルで車いすユーザーが利用していると使用イメージがつきやすくていい。」

ワーキング全体を通してLIXILの担当者はこのように振り返っています。

障害者向けという言葉に抵抗を感じられる方がいらっしゃること、一方で当事者が笑顔で製品を使う姿があるとイメージしやすいことは新しい気付きでした。いただいた意見をイメージ画像や機能説明に用いる言葉の選定に取り入れさせていただきました。直接お話をお伺いすることで、PR方法が具体的にイメージでき、また発信する情報をどのように受け取られるのかの学びになりました。

重要なのは届けたい人に届け方を「直接聞いてみる」こと

LIXILは今回、届けたい人に届けるためにニーズ調査からPR方法までターゲットとする方たちとプロセスを共にしてきました。

メーカー事業者においても「当事者の意見を聞きましょう」という動きがある一方で、「これ以上、やらなくていいのでは」「自分ごととしてあまり考えられない」といった方がまだまだ多くいらっしゃることが現状です。

そんな中、今回、障害のある方たちの意見をPR方法まで取りいれた当製品について、本記事を通して、魅力や価値がより伝わることを心から願っています。

ぜひ、この機会に本製品をチェックしてみてください!

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次回予告


ここまで「換気機能付窓」の当事者視点を踏まえたメリットや表現方法についてお伝えしてきました。画期的な製品である一方で、「どうやって掃除するの?」など気になる点は多いと思います。次回、お手入れ方法や具体的な利用イメージについてより詳細を解説していきます。