マークの一覧から考える!優先駐車場、誰のため?


駐車場の路面に貼付されていたり、コーンに貼られていたりする優先駐車場の案内マーク。
この案内マークにはたくさんの種類があることをご存じでしょうか。
ここでは【マークの一覧からわかる優先駐車場の利用対象者】をテーマに、 利用許可証の必要な優先駐車場についてご紹介します。

優先駐車場の利用対象者は?

国土交通省によると、優先駐車場の利用対象者は「障害者、介護が必要な高齢者、妊産婦、けが人など歩行が困難と認められる人」とされています。

対象者別にみる8種類のマーク

上記の方々が利用できる優先駐車場のマークは、対象者別に大きく8種類にわけられています。

①障害者

(車いすや足の不自由な方だけでなく、障害のある方が利用できる施設や建物、場所を示す世界共通のシンボルマーク)

画像 車いすのマーク

②高齢者

画像左 杖を突いている人を横から見たマーク 中心 シルバーマーク 右 杖をついた人の正面のマーク

③マタニティ

画像左 妊婦のマーク
画像右 マタニティマーク

④ファミリー

画像左 ベビーカーを押しているマーク
右 ベビーカーを押している人と、優先という漢字が書かれているマーク

⑤けが人

画像 松葉杖をついている人のマーク

⑥外見では分かりづらい障害のある方

(ハートプラス・オストメイト・ヘルプ)

画像左 人の胸にハートが書かれた、ハートプラスマーク
中心 人の腹部のあたりにプラスが書かれた、オストメイトマーク
左 赤い札にプラスとハートが書かれたヘルプマーク

⑦補助犬

画像 ハーネスをつけた補助券のマーク

⑧クローバー

(肢体不自由であることを理由に運転免許に条件を付されている方が、運転する車に表示するマーク)

画像 クローバーが書かれたマーク

また、いくつかを組み合わせたものもあります。

画像 車いすユーザーや高齢者、妊婦などのイラストが1枚に収められたマーク3種類

優先駐車場は身体障害のある方だけが使えるものと思われがちですが、実は多くの方が利用できるものとなっています。
上記のマークそれぞれが設置されている駐車場もあれば、「ダブルスペース」という導入の仕方もあります。

↓ダブルスペースの導入事例

画像 車いすユーザーに必要な幅の広い駐車区画と、広い幅を必要としない高齢者や高齢者、妊産婦等のための区画が導入された駐車場のイラスト

※出典:国土交通省「パーキング・パーミット制度事例集」

優先駐車場を利用する方の中には、幅の広い区画を必要とする方もいれば、歩行が困難なために、幅は必要ないが出入り口に近い場所に駐車したい方もいます。
そのために、幅の広い 3.5m 以上の駐車区画に加えて、施設の出入口に近い 3.5m 未満の通常の幅の駐車区画も制度の対象とするのが「ダブルスペース」です。

利用上の注意事項

利用するにあたり、注意すべき事項は二点あります。

・思わぬトラブルを防ぐために交付証を申請する
・自治体により異なる交付証の申請条件を確認する

まず一点目ですが、優先駐車場を利用するにはお住まいの地方自治体で、交付申請を行うと良いでしょう。
交付証が見えない形で駐車をしていた方が、他の優先駐車場を利用したい方に暴言を吐かれたり、不正に利用されて本当に使いたい方が使えなかったりするトラブルが多発したことから、平成18年度にパーキング・パーミット制度が佐賀県で初めて導入されました。
パーキング・パーミット制度とは優先駐車場の利用対象者に利用証を発行することで適正利用を促す制度です。

また、交付された利用証は、お住まいの自治体のみならず、他の地域でも利用できる場合があります。
全ての地域での利用が可能となっているわけではありませんので、どの地域で利用できるかは利用証を交付される自治体に確認することをおすすめします。

次に二点目です。
交付証の申請条件は自治体によって細かく分けられています。
優先駐車場の具体的な規定は各自治体によって異なるため、法律上統一された条件はありません。

例えば、
「障害の程度によって何級以上でないと利用できない」
「産後何ヶ月以上の方が対象」
など自治体によって具体的な交付要件が決められています。

初めて利用する方は、条件の詳細をお住まいの地方自治体のホームページなどで確認し、交付証を申請することをおすすめします。
また、交付証には必ず有効期限が書いてあり、期限が切れると無効になってしまうので、注意が必要です。

まとめ

今回は、【マークの一覧からわかる優先駐車場の利用対象者】というテーマに沿って、優先駐車場の利用対象者とマークをご紹介しました。

駐車場は、施設を利用するための入口の一部になる場所です。
優先駐車場は誰かにとって必要なものだから、その場所に設置されています。
「優先駐車場が必要な人に届き、安心して外出できる一歩になりますように」そんな想いを込めて執筆しました。