障害のある方が一人暮らしをする際に受けられるサービスとは?
現在、身体や精神に障害のある方や特定の疾患のある方が、地域で生活を続けられるように支援するサービスが障害者総合支援法に基づいて規定されています。
その中でも、障害のある方が一人暮らしをする際に受けられるサービスにどんなものがあるのかご存じでしょうか。
今回は、【自宅にて一人で生活することに関するサービスの種類と必要なもの】に焦点を当ててお伝えします。
ご検討される方は、お住まいの市区町村によって組み合わせ方や具体的な部分が異なることもありますので、一度自治体へご相談ください。
大枠として、このようなサービスがあることをご理解いただければ幸いです。
受けられるサービス
お住まいの市区町村に申請をすると、以下のサービスが受けられます。
※障害福祉サービスは17個あり、介護給付と訓練等給付の2つに分けられますが、本記事では介護給付について紹介します。
介護給付のサービスは大きく3つに分けられます。
①訪問系
・居宅介護(ホームヘルプ)
入浴・排泄・食事・洗濯・掃除など身体介護から家事援助まで、生活に関わる全般的な援助をするものです。援助だけでなく、生活における相談や助言も行います。
・重度訪問介護
重度の身体障害、知的障害、精神障害がある方で、部分的ではなく日常的に介護が必要な方に対して、自宅で、入浴や排泄、食事の介護、外出時の移動支援など総合的に行います。生活における相談や助言なども行います。
・同行援護
視覚障害により移動に困難のある人が外出する際、必要な情報提供や介護を行います。
・行動援護
知的障害や精神障害により行動に困難のあり常時介護が必要な人が、危険な状況にならないよう援護や移動中の介護、その他必要な支援を行います。
・重度障害者等包括支援
常時介護を要し、意思疎通に困難がある身体障害者や知的障害者、精神障害者に対して、居宅介護や重度訪問会議などの支援を包括的に提供します。
②日中活動系
・短期入所(ショートステイ)
自宅でその人を介護していた人が病気またはその他の理由により、施設に短期間入所させ入浴や排泄、食事の介護など必要な支援を行います。
・療養介護
病院等への長期の入院による医療的ケアに加え、常時の介護を必要とする障害者を対象に、主に昼間に病院で行われる機能訓練や療養上の管理、看護、医学的管理下の介護及び日常生活上の世話を行います。
・生活介護
施設にて、入浴や排泄、食事等の介護など必要な援助を要する障害者であり、常時介護を要する人に対して、主に昼間に、入浴や排泄、食事等の介護、家事など生活に関する相談及び助言や支援を行います。
③施設系
・施設入所支援
施設に入所する障害者に対して、主に夜間に、入浴、排泄、食事等の介護、生活等に関する相談や助言、その他必要な日常生活上の支援を行います。
障害福祉サービスは、障害の特性によって包括的に組み合わせて申請することも可能です。
利用のご検討をされる方は、お住まいの市区町村によって組み合わせ方や具体的な部分が異なることもありますので、一度自治体へご相談ください。
◇障害福祉サービス全般について詳しくはこちら
申請をするにあたり必要なもの
サービスを受けるためには、サービスの対象者に当たるかどうかを判断するために自身の障害支援区分認定を受ける必要があります。
障害支援区分認定とは、障害者総合支援法で公平なサービスを利用することや、支援の必要性を明確に判断するために、支援の程度を総合的に表す客観的な指標のことです。
区分は6段階に分けられており、その区分によって利用できるサービスが変わってきます。
◇障害支援区分について詳しくはこちら
障害支援区分認定の申請プロセス
障害支援区分認定をもらうまでには、大まかに6つのプロセスがあります。
①お住まいの市区町村へ「障害支援区分認定」の申請を行う
②調査員が自宅へ訪問し、障害の程度について80項目の聞き取り調査をする
(聞き取りと同時進行で、主治医へ意見書を依頼)
③訪問調査の結果をもとに、コンピューターによって一次審査を行う
④一次審査の結果及び医師による意見書に基づいて市町村審査会で二次判定を行う
⑤判定結果により、障害支援区分の認定を行う
⑥本人へ通知
このように、認定を受けるだけでも大きく6つのプロセスを踏むことになります。
一人暮らしを検討する際には早めにこの区分認定を受けることをおすすめします。
◇障害支援区分認定後、障害者福祉サービスを受ける際の手続きについて詳しくはこちら
まとめ
今回は、障害のある方が一人暮らしをする際にどのようなサービスが受けられるか、また利用する際には何が必要なのかについてご紹介しました。
一人暮らしを考える方にとって少しでも参考になりましたら幸いです。