障害年金と身体障害者手帳。どちらも障害者にとって強い味方ですが「全く別の制度」という事を知っていますか?

実は、「手帳と年金の等級は必ず同じになる」と勘違いされている方は結構いらっしゃいます。このような誤解で、障害年金の受給対象なのに、受給してなかったという例も、中にはあるそう。

障害年金は障害者にとって、大切な生活資源の一つですから、基本的なポイントは正しく理解しておきたいところです。

そこで今回は、現役FP(ファイナンシャルプランナー)の平原直樹さんに障害年金の基本的なポイントと身体障害者手帳との関係性についてわかりやすく解説してもらいました。

年金とお金

そもそも障害年金とは?

障害年金とは、 病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。

障害年金には、「障害基礎年金」「障害厚生年金」の2種類あります。

① 「障害基礎年金」の対象者
障害の原因となった疾病やケガで、初めて医師の診療を受けた日(初診日)に おいて、国民年金に加入していた方。

② 「障害厚生年金」の対象者
障害の原因となった疾病やケガで、初診日において、厚生年金に加入していた方で、所定の障害の状態にあたる方。

両者とも障害の度合いで給付額が異なります。
障害の認定基準はここでは詳しく触れないので、気になる方は以下を参照してください。
国民年金・厚生年金保険 障害認定基準(日本年金機構)

なお、障害状態が所定の要件に該当しなかった場合でも、その後症状が悪化して要件を満たした場合は、請求により給付を受けられる可能性があります。

障害基礎年金とは?

障害の原因となった疾病やケガの初診日おいて、国民年金に加入していた方で所定の障害の状態になる場合に支給される年金です。

障害基礎年金を受ける場合は、障害等級表の1級または2級の障害の状態である必要があります。
なお、20歳未満の方はそもそも国民年金に加入していないので、初診日において、20歳未満の方は障害基礎年金の給付を受ける事が可能です。

障害基礎年金の給付額(年金額)

受給額は以下の通りです。 ( 令和元年8月現在)
【1級】780,100円×1.25+子の加算
【2級】780,100円+子の加算

※子の加算とは?
18歳の3月31を迎えていない子か、障害等級1級または2級の20歳未満の障害児を子に持つ場合に受ける事ができます。
加算額は、第1子、第2子;224,500円/人、第3子以降:74,800円/人となります。

障害厚生年金とは?

障害の原因となった疾病やケガの初診日において、厚生年金に加入していた方で、一定の要件を満たす場合に支給される年金です。

障害等級表の1級または、2級の障害の状態になった場合は、障害基礎年金に上乗せして給付されます。つまり、初診日に会社員や公務員だった方は、障害基礎年金と障害厚生年金とを両方もらえるという事です。

また、障害の程度が2級に該当しない場合でも、障害厚生年金では障害等級が3級まで給付対象が拡大されています。
障害厚生年金の方がより保障が充実していることがわかりますね。

障害厚生年金の給付額(年金額)

  受給額は以下の通りです。 ( 令和元年8月現在)
 【1級】(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額:224,500円〕※
 【2級】(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額:224,500円〕※
 【3級】 (報酬比例の年金額)  ※最低保障額 585,100円

※配偶者の加給年金額:その人に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに加算されます。

厚生年金に関しては、被保険者の収入で保険料(支払)や給付(受取)が比例するという仕組みです。(収入が多い人は支払い保険料も高く、受取の給付も多いという事です)
そのため、障害の等級が同じ方でも、給付額は一人一人異なります。

障害年金と障害者手帳で等級が違う事も!?

上述の通り、障害年金と障害者手帳とは違う制度となっております。障害者手帳の手続きをすれば、自動で障害年金を受給できるわけではありません。

障害年金を受給するためには、自身で請求する必要があります。
また障害の程度を図る尺度も1級、2級と等級という概念で同じような表現をしますが、注意が必要です。

同じ障害でも、各制度で等級が異なることがあります。そのため、障害者手帳で1級だからと言って、障害年金でも1級とは限らないという事です。

障害者手帳の等級を見て、障害厚生年金の請求を諦めてしまうと勿体ないケースも実際にあります。

例えば、人工肛門の場合は、障害者手帳では4級の方もいらっしゃいますが、障害年金では3級となる事もあります。3級という事は、障害厚生年金を受給できる方であれば、給付を受ける事ができるということです。
せっかくの制度なので請求しないと勿体ないですよね。

こうしたことが無いように障害厚生年金の制度もしっかりチェックしてください。障害厚生年金の請求先は年金事務所となります。ご不明な点がある方はお近くの年金の事務所に連絡してください!


<解説してくれた人>
ブロードマインド株式会社
ファイナンシャルプランナー 平原直樹

日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。各種媒体での執筆や相談業務にも従事。最近では、高齢者や障害者の財産管理手法として注目を集める家族信託を広めるべく活動中。

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