ミライロIDのロゴはなぜキリンなのか

ミライロIDのロゴマークに使われている動物はなんでしょう?

画像 ミライロIDのロゴマーク

そうです、キリンです。
今回は、ミライロIDのロゴマーク誕生秘話をお話しします。

愛されるモチーフにしたい

デザイナーたちは、今まで不便なことが多かった障害者手帳が劇的に便利になる!という革新性を表現しようと意気込んでいました。
加えて、外出時にサッと提示するものなので、瞬時に「障害者手帳」ということがわかることも目指していました。

写真 一番初期のロゴマーク案

いくつかイメージを持って、いざ関係者と打ち合わせ。
しかし、最初の打ち合わせからスムーズにいくはずもなく、デザイナーたちの間ではしばらく悶々とした時間が続きました。

しばらく経ったとき、デザイナーはふと、ミライロの代表である垣内に質問をしました。
「社長、動物お好きでしたよね…?」

ミライロが運営するもう一つのプロダクト、「Bmaps」にもロバ、イヌ、ネコ、オンドリ、という動物たちが登場します。
以前に、「動物好きという理由から、 Bmapsのロゴマークが決まった」と、誕生の経緯を耳にしたのを思い出してのことでした。
(Bmapsの動物たちは、『ブレーメンの音楽隊』が由来となっています。多種多様な個性を活かし、力を合わせて活躍する動物たちのように、障害の有無に関わらず、お互いの強みを活かし、支え合える世の中にしたいという願いが込められています。)

ミライロIDは、垣内自身が長年熱い想いを持って練られてきた構想だからこそ、垣内の「好き」から生まれるビジュアルを作れたらと、デザイナーは思ったそうです。
動物に焦点を当ててからは、オフィス中に笑い声が響いていたと言われるほど、会話が弾んだとのこと。
ミライロIDは、いつも携えるものだからこそ、何か愛着が持てるものに、アプリを開きたくなるような愛されるモチーフにしたいと、方向性が定まりました。
動物は、偉大ですね!

動物総選挙

次の議題となるのは、「どの動物が良いか」です。
既存のアプリに使われている動物から(アプリ以外も)、一斉にリサーチをかけました。

ミライロIDの構想とも掛け合わせて、動物占いをしてみたり。
代表的な動物からマニアックな動物まで候補があがりましたが、選抜を勝ち抜いた動物が、キリンでした。

〜キリンが勝ち抜いた3大理由〜

(1)不自由から生まれた先見性

キリンが今の姿になった進化ストーリーに着目しました。(※下記諸説あり)
・首の長さ:他の動物がサバンナや草原に浸出し、食料が激減。そこでキリンは、高い場所の葉を食べようと、姿を徐々に順応。
・体の大きさ:獰猛な肉食動物たちから身を守るために進化。

不自由なことが多い社会で、変化を待つだけではなく、先を見通し、障害者の生活をリードできるような取り組みをしていきたいという想いが重なりました。

(2)個性から生まれた革新性

キリンの血圧システムを参考にした宇宙服が開発され、実用化されているそうです。
細かなところは割愛しますが、キリンは、人間にとってユニークな動物です。

障害を理解し合うことで、新しい発見やおもしろい取り組みにつながることがあるのではないでしょうか。

(3)社会で向き合う必要性

今や多くの動物が絶滅危惧種に指定されていますが、キリンもその中に入っています。
話を大きく拡げすぎている気もしますが、社会(地球)全体で向き合うべき課題ということには変わりません!

その他にも、神経質で臆病なくせに、好奇心旺盛と言われている少し人間くさい性格や、細かな分類(ミナミキリン、マサイキリン、アミメキリン、キタキリン)があること、障害特性(身体、精神、視覚等々…)と類似していることにも着目しました。

ちなみに、デザイナーの一人は、動物の中でキリンが一番好きとのこと。
「これは、ただの、縁です。大きな声では言えません。」と言っていました。

正面?横顔?

デザイナーいわく、肉食動物なら正面が描きやすく、草食動物なら横顔が描きやすいそうです。

今回のキリンも、マニアックなところを表現するのではなくて、「これはキリンだ」と判断できるよう、キリンのシルエットがわかりやすい向きから考えたそう。
もちろん、ただのキリンを描くのではなく、「ミライロID」というオリジナル性を表現することも重要です。

キリンの顔に、「ID」の文字を施したり、キリンのシルエットを使って「ID」という文字を表現したり、首をスロープに見立ててみたり。色々な可能性を模索しました。

写真 キリンの絵の案

ある程度カタチが出来たときに、社内で意見を求めたところ、やはりキリンのシルエットがわかりやすい横向きのものに多く票が集まりました。

ようやく...!と思いきや、その投票結果から、面白い傾向が見えたのです。

多くの人が横を向いたキリンを選んでいたのですが、実際にミライロIDを利用する、障害のある当事者は、正面を向いたキリンを選んでいました。
多数決で行くと、横を向いたキリンのブラッシュアップに進むところでしたが、詳しく意見を聞き直してから、今一度吟味することにしました。

当事者から正面を向いたキリンに票が集まった大きな理由は、シンプルなものでした。
「障害者手帳は自分を証明するもの。正面を向いていると、まるで向き合っているかのような印象があるから」

実際に障害者手帳を使われる方の印象、感覚を尊重し、正面を向いたデザインを急ピッチで再考しました。

こうして誕生したロゴマーク

いろいろと割愛したところもありますが、こうして生まれたのが、ミライロIDのキリンです。

画像 完成したロゴマーク

アプリを開く度に、自分と照合するかのように真正面を向いて、世の中の情報を素早くキャッチできるよう、「I」のカタチをしたピンと立ったアンテナ(みたいな角)。

ユーザーの声をしっかりと受け止められるよう、「D」のカタチをした大きな耳。
(しっかりまつ毛も!)

現在、ミライロIDに参画してくださる企業様が増え、利用できる場所が拡大しています。
これからも、ユーザーの声に耳を傾けながら、日々改善を繰り返していきます。

障害のある方の外出をスムーズに。
事業者の対応もスムーズに。

このオレンジ色のキリンを、今後ともよろしくお願いします。

…現在名前までは決められていないので、良いネーミングがあったらぜひ教えてください。